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育成就労の認定申請が始まった|介護事業者が申請の前にやること

対象:施設長・理事長・法人本部最終更新:2026-10-09著者:合同会社サン 代表 菅野 竜輔

令和8年9月1日、育成就労計画の認定申請の受付が外国人技能実習機構で始まりました。制度そのものが動き出すのは令和9年4月1日です。それでも施行より前の時期が節目になるのは、この申請に受付の開始日だけでなく、出してよい期間の窓があるからです。機構の案内では、施行日前申請は受入れを開始する予定日の7か月前から5か月前までの間に出すことになっています。令和9年4月1日に受け入れたい法人にとって、その窓は令和8年9月1日から11月1日までです。この記事では、介護分野の事業者が申請の前に片づけておく確認事項を、出典のURLをつけて順番に並べます。

育成就労の認定申請が始まった|介護事業者が申請の前にやること の要点をまとめた図(合同会社サン 福祉DX お役立ちブログ)
この記事の全体像

最初に決めるのは書類の中身ではなく、いつ受け入れる法人かという一点

申請の前に確かめる5つ
申請の窓開始予定日の7か月前から5か月前まで
最初の分岐令和9年4月1日を取りにいくかどうか
介護分野の固有要件事業所の数字に当てはめる
受入れ人数枠常勤介護職員の数で決まる
申請の前に片づける7つ前の項目が決まらないと進めない並び
開始日が決まれば、申請を出す期間は自動で決まります。監理団体との打ち合わせは、その後です。出典:外国人技能実習機構 育成就労計画認定施行日前申請(記事末の出典)

効いてくるのは受付開始日ではなく、7か月前から5か月前という窓

令和6年6月21日に公布された改正法により、技能実習制度は発展的に解消され、人手不足分野での人材の育成と確保を目的とする育成就労制度が創設されました。施行日は令和9年4月1日です。監理支援機関の許可に係る施行日前申請は令和8年4月15日から、育成就労計画の認定に係る施行日前申請は令和8年9月1日から、それぞれ外国人技能実習機構で受付が始まっています。

ここまでは多くの法人がすでに把握している話です。早く動く理由になるのは、その次に書かれている一文のほうです。

施行日前申請は、育成就労を開始する予定日の7か月前から5か月前までの間に申請してください。(例:令和9年6月1日に開始する場合は、令和8年11月1日から令和9年1月1日までの間に申請)

令和9年4月1日に受け入れる場合

4月1日スタートの申請の窓は、9月1日に開き11月1日に閉じる

  1. 令和8年9月1日申請の窓が開く開始予定日の7か月前
  2. この間に育成就労計画の認定を申請する
  3. 令和8年11月1日申請の窓が閉じる開始予定日の5か月前
  4. 令和9年2月1号技能実習計画の認定申請の期限技能実習でもう1本挟む場合
  5. 令和9年4月1日施行日・受入れ開始審査の結果は、この日以降に順次郵送で通知
開始を令和9年の夏や秋にずらすなら、申請は来年に入ってからでも間に合います。出典:外国人技能実習機構 育成就労計画認定施行日前申請

この定めをそのまま令和9年4月1日の開始に当てはめると、7か月前は令和8年9月1日、5か月前は令和8年11月1日です。つまり施行日と同時に受け入れたい法人の申請の窓は、9月1日に開いて11月1日に閉じます。審査の結果は令和9年4月1日以降、順次郵送で通知されます。

逆に、開始を令和9年の夏や秋にずらすなら、申請は来年に入ってからでも間に合います。最初に決めるべきなのは書類の中身ではなく、いつ受け入れる法人なのかという一点です。ここが決まらないまま監理団体との打ち合わせに入ると、話は必ず送出国と人材の話に流れて、日程の設計だけが宙に浮きます。

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最初に決める分岐は、4月1日スタートを取りにいくかどうか

ここでの判断は、実質的に3つの道のどれを選ぶかです。

道申請の時期向いている法人
令和9年4月1日から受け入れる令和8年9月1日から11月1日までに育成就労計画の認定申請監理団体がすでに監理支援機関の許可申請を出しており、事業所要件と人数枠を申請の前に確認できる法人
令和9年の夏以降から受け入れる開始予定日の7か月前から5か月前の間に申請体制づくりに時間を使いたい法人。ただし後ろにずらすほど、募集と入国後講習の日程が翌年度の人員計画にかかる
技能実習でもう1本挟む1号技能実習計画の認定申請を令和9年2月までにいま現在の欠員が切実で、育成就労の初回に間に合わせる自信がない法人

3つめについて補足します。外国人技能実習機構は、経過措置の案内として、1号技能実習計画の認定申請は令和9年2月までに行うようお願いしますと明記しています。技能実習で1本挟む選択は今後なくなるため、判断を先送りにすると、技能実習の期限と育成就労の申請の窓を両方外すことになります。この意味でも、いまが分岐点です。

介護分野だけに乗る要件を、事業所の数字に当てはめる

育成就労には制度本体の要件があり、介護分野にはそれに加えて満たす必要のある固有要件があります。厚生労働省が公表している介護分野の固有要件から、事業所側で先に確かめられるものを抜き出します。

項目介護分野の内容
受け入れられる事業所介護等の業務が現に行われている事業所(介護福祉士国家試験の実務経験対象施設)であること
安定性の確認次のいずれかに該当すること。事業所を開設してから3年が経過している。当該事業所を経営する法人において介護等の業務を行う他の事業所の開設後3年が経過している。外国人に対する研修体制や職員・利用者等からの相談体制など同一法人によるサポート体制がある
育成就労指導員育成就労外国人5名につき1名以上を選任。そのうち1名以上は介護福祉士等
日本語の要件1年目(入国時)はA2.2。2年目以降はA2.2および日本語学習プラン(B1を取得している場合は学習プランは不要)。育成就労終了時はA2.2および介護特定技能評価試験(日本語)
入国後講習日本語科目は240時間以上(B1以上の場合は80時間)、技能科目は42時間以上
転籍制限期間介護分野は2年。1年を超える転籍制限期間を設定する育成就労実施者は、介護職員等処遇改善加算の取得等の要件を満たすことに加えて、育成就労外国人ごとに育成就労キャリア支援プランを作成する
夜勤・緊急対応夜勤や緊急対応業務を行わせる場合は、指導に必要な体制確保等、利用者の安全確保および外国人保護のために必要な措置を講じる
訪問介護等介護職員初任者研修課程等を修了し実務経験等を有する育成就労外国人のみを従事させる。あわせて、研修、責任者等の同行等による一定期間の訓練、業務内容の説明と意向確認とキャリアアップ計画の作成、ハラスメント防止のための相談窓口設置等、不測の事態への情報通信技術の活用を含む措置を遵守する

この表の中で、すぐに答えが出るのは上の3行です。事業所が実務経験対象施設かどうか、開設から3年が経っているか、介護福祉士を含む指導員を何人立てられるか。ここが埋まらない事業所は、令和9年4月1日の受入れを前提にした議論をしても意味がありません。

介護分野の安定性の確認

開設から3年が経っていなくても、別の2つの道がある

事業所の開設から3年が経っているか
経っている安定性の確認を満たす事業所を開設してから3年が経過している
経っていない次のどちらかで満たす法人の他事業所の開設後3年の経過、または研修体制や相談体制など同一法人によるサポート体制
どれで満たすかは、事業所要件の確認のときに決めます。出典:厚生労働省 介護分野の育成就労における固有要件について(記事末の出典)

逆に、転籍制限を2年に設定するかどうかは経営の判断です。介護分野で1年を超える制限を置くには処遇改善加算の取得等の要件を満たしたうえでキャリア支援プランを作ることになるため、加算の状況とセットで理事会にかける論点になります。

受入れ人数枠は常勤介護職員の数で決まる

何人まで受け入れられるかは、事業所ごとに常勤介護職員の総数で決まります。令和8年厚生労働省告示第156号が定める監理型の場合の上限は次のとおりです。ここでいう常勤介護職員は、介護等を主たる業務として行う常勤の職員から、育成就労外国人と、経済連携協定によるインドネシア人・フィリピン人・ベトナム人の介護福祉士候補者を除いた数です。

事業所の常勤介護職員の総数育成就労外国人の数
10人以下3人
11人以上20人以下6人
21人以上30人以下9人
31人以上40人以下12人
41人以上50人以下15人
51人以上100人以下18人
101人以上200人以下30人
201人以上300人以下45人
301人以上常勤介護職員の総数の20分の3

この数字には上に蓋があります。事業所の育成就労外国人の総数が、当該事業所の常勤介護職員の総数を超えないことが条件です。50人規模の事業所で15人まで、という読み方をするときは、すでに在籍している育成就労外国人との合計で見てください。

枠が広がる仕組みもあります。技能および日本語能力の修得に係る実績、育成就労を行わせる体制、外国人の待遇、法令違反や行方不明者の発生状況、相談と保護と支援の体制、地域社会との共生に向けた取組。これらを総合的に評価して高い水準を満たすと認められる実施者は、表の数の2倍。さらに監理支援機関も高い水準を満たし、かつ事業所の住所が指定区域にある場合は3倍です。単独型で行う場合の一般的な上限は、常勤介護職員の総数に20分の3を乗じた数(3未満なら零)で、高い水準を満たす場合は10分の3になります。

人数枠が広がる仕組み

高い水準を満たすと、表の数の2倍、条件が重なれば3倍になる

表の数

  • 常勤介護職員の総数で決まる
  • 事業所の育成就労外国人の総数は常勤介護職員の総数を超えない

表の2倍

  • 実績、体制、待遇、法令違反の状況などを総合評価
  • 実施者が高い水準を満たす

表の3倍

  • 実施者に加えて監理支援機関も高い水準を満たす
  • 事業所の住所が指定区域にある
単独型の一般的な上限は、常勤介護職員の総数に20分の3を乗じた数です。表を当てはめる前に、誰を常勤介護職員として数えるかを法人内で合わせます。出典:令和8年厚生労働省告示第156号(記事末の出典)

枠の計算は、常勤介護職員の数え方で結論が変わります。表を当てはめる前に、誰を常勤介護職員として数えるかを法人内で先に合わせておいてください。

申請の前に片づける7つ

ここまでの内容を、順番のある作業に落とします。上から順に、前の項目が決まらないと次に進めない並びにしてあります。

  1. 受入れの開始予定日を決める。令和9年4月1日を取りにいくのか、夏以降にずらすのか。ここが決まれば、申請を出す期間は7か月前から5か月前という定めで自動的に決まります
  2. 監理団体に2つ確認する。育成就労法に基づく監理支援機関の許可に係る施行日前申請を出したか。出しているなら受理票の写しをもらえるか。監理型の申請では受理票の写しの提出が必要で、監理支援機関の許可がされなければ育成就労計画も認定されません
  3. 事業所要件を確認する。介護福祉士国家試験の実務経験対象施設であること。そのうえで、開設から3年、法人の他事業所の開設から3年、同一法人のサポート体制のどれで満たすかを決めます
  4. 人数枠を計算する。事業所ごとに常勤介護職員を数え、告示の表を当てはめる。複数事業所がある法人は、どの事業所で受け入れるかもここで決まります
  5. 指導員を指名する。育成就労外国人5名につき1名以上、そのうち1名以上は介護福祉士等。名前で決めて、本人に伝えるところまでを申請の前に終えます
  6. 転籍制限を2年に置くかを理事会にかける。置く場合は、介護職員等処遇改善加算の取得等の要件と、外国人ごとの育成就労キャリア支援プランの作成が付いてきます
  7. 手数料の払込方法を決める。認定申請の手数料は1件(1名)当たり6,100円です。払込にはペイジー払い(システム利用料440円)または払込票払い(同572円)があり、いずれも払込に事前の手続きが要ります。一度納付した手数料は申請を取り下げても還付されません

7つのうち、外部に依頼が必要なのは2つめだけです。残りは法人の中で完結します。だからこそ、監理団体への確認は最初に投げてください。返事を待つ時間が、いちばん読めない時間になります。

常勤介護職員の数え方と人数枠の当てはめは、事業所ごとに一度整理すれば済みます。表計算の様式をお渡しします。

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先に知っておくと止まらない落とし穴

迷ったときの窓口も用意されています。施行日前申請コールセンターの電話番号は0570-011-300で、受付時間は平日9時から17時です。申請後は、申請した機構の地方事務所・支所が問い合わせ先になります。

なお、この記事は事業所側で先に確認できることに絞っています。書類の様式そのものは省令様式が4種類あり、どれを使うかは受入れの形態で変わります。様式の選定と記載は監理団体と機構の案内に従ってください。

出典(一次情報)

本文の日付と数字は、次の公的機関の公表資料で確認しています。制度の運用は今後も更新されるため、実際の手続きの前に必ず最新の内容をご確認ください。

よくある質問

育成就労計画の認定申請は、いつから出せますか。
令和8年9月1日から、外国人技能実習機構が施行日前申請の受付を開始しました。ただし出せる時期には幅があり、機構の案内では、施行日前申請は育成就労を開始する予定日の7か月前から5か月前までの間に申請することとされています。審査の結果は令和9年4月1日以降、順次郵送で通知されます。
監理団体に任せていれば、こちらは何もしなくてよいですか。
監理型で申請する場合、監理支援を行う法人が技能実習法に基づく監理団体の許可を受けており、かつ育成就労法に基づく監理支援機関の許可に係る施行日前申請を行っている必要があります。申請時には監理支援機関許可申請の受理票の写しの提出が必要で、監理支援機関の許可がされなければ育成就労計画も認定されません。まず監理団体に、許可申請を出したかと受理票をもらえるかを確認してください。
うちの事業所は何人まで受け入れられますか。
介護分野では事業所ごとに、常勤介護職員の総数に応じた上限が告示で定められています。監理型では、常勤介護職員10人以下で3人、11人から20人で6人、21人から30人で9人、31人から40人で12人、41人から50人で15人、51人から100人で18人、101人から200人で30人、201人から300人で45人、301人以上は総数の20分の3です。いずれの場合も、事業所の育成就労外国人の総数が常勤介護職員の総数を超えないことが条件になります。
いまの技能実習は、いつまで申請できますか。
外国人技能実習機構は、1号技能実習計画の認定申請を令和9年2月までに行うよう案内しています。育成就労の1期生に間に合わない場合に技能実習でもう1本挟むかどうかは、早めに決めておく論点です。判断が遅れると、技能実習の期限と育成就労の申請の窓の両方を外すことになります。
外国人材を増やす前に、記録や書類の負担を減らすほうが先ではないですか。
どちらが先かは法人の状況によります。ただ、育成就労では日本語や技能の到達目標を計画に書き、指導員を置いて育てることになります。記録や申し送りの手順が人によってばらついている事業所では、教える側の負担がそのまま増えます。受け入れを決めたなら、記録の型を先に揃えておくと指導が軽くなります。進め方は介護記録をAIで効率化する進め方にまとめています。

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常勤介護職員の数え方、人数枠の当てはめ、事業所要件の満たし方、指導員の立て方まで、御法人の状況に沿って整理してお返しします。監理団体との打ち合わせに入る前がいちばん効きます。

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菅野 竜輔(かんの りゅうすけ)/ 合同会社サン 代表社員
介護職、施設長、ケアマネジャー、地域包括支援センター、生活困窮者支援を経験。現在は社会福祉法人と福祉事業者向けに、生成AIの導入と定着の伴走をしています。本記事は出入国在留管理庁、外国人技能実習機構、厚生労働省の公開資料を確認のうえ、AIを利用して作成し、人が事実確認と加筆を行っています。制度の運用は今後も更新されるため、実際の手続きは必ず所管の運用要領と機構の案内でご確認ください。個別の申請手続きの代理は行政書士等の業務であり、当社は事業所側の体制づくりの整理を担当します。
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