兵庫県の補助は、機器を選ぶ前に県指定研修の受講から始まる
兵庫県は研修ファースト|申請の順番が他県と逆
多くの県の介護テクノロジー補助は機器を選び、計画を書き、申請するという順番で進みます。兵庫県は違います。県の公表ページに「申請には、県指定研修受講等の要件があります」と明記されており、研修の受講が申請の前提条件になっています(出典:兵庫県 令和8年度介護業務における介護テクノロジー導入支援事業・2026-08-24確認)。兵庫県での進め方は次の順番になります。
- 県指定研修に申し込む:県の介護テクノロジー導入支援研修等の案内から受講する
- 改善したい業務を特定する:研修で学んだ枠組みで、自事業所のどの業務を軽くするかを決める
- 機器・システムを選ぶ:福祉用具情報システム(TAIS)で対象機器を確認する
- 申請見込額調査書を県に出す:ここで初めて申請の入口に立つ
この設計は、機器を買ったのに現場で使われなくなる失敗を、入口の研修で防ごうとする県の意思の表れと読めます。私たちが福祉現場のAI導入で最初に必ず行う業務の棚卸しと職員研修は、兵庫県の制度設計と同じ方向を向いています。
兵庫県は、機器を選ぶ前に研修と業務の特定が入る
多くの県
- 機器を選ぶ
- 計画を書く
- 申請する
兵庫県
- 県指定研修を受講する
- 改善したい業務を特定する
- TAISで対象機器を確認する
- 申請見込額調査書を出す
令和8年度・介護業務における介護テクノロジー導入支援事業の中身
県公表ページで確認できた事実を、確認できた範囲のまま載せます。
| 項目 | 県公表ページの記載(2026-08-24確認) |
|---|---|
| 事業名 | 介護業務における介護テクノロジー導入支援事業(令和8年度) |
| 補助対象 | 介護サービスを提供する県内事業所における介護テクノロジーの導入経費 |
| 申請要件 | 県指定研修受講等の要件あり。詳細は実施要綱で確認 |
| 対象機器の確認先 | 福祉用具情報システム(TAIS) |
| 補助率・上限額 | ページ本体に記載なし。実施要綱で確認する |
| 問い合わせ窓口 | 兵庫県 高齢政策課 介護基盤整備班/078-341-7711(内線73506)/hojokin-koureiseisaku@pref.hyogo.lg.jp |
なお、この事業は全国的には令和7年度から「介護テクノロジー導入支援事業」へ改称が進んだ制度の兵庫県版です。過去資料を探すときは旧称の「介護ロボット導入支援」「ICT導入支援」でも検索すると情報が拾えます。
調査書7月6日締切から採否通知まで|兵庫県の時系列
令和8年度のスケジュールとして県ページに載っていたのは次の3点です(2026-08-24確認)。いずれの時期もすでに過ぎています。
| 時期 | 何が起きるか |
|---|---|
| 令和8年7月6日 17時 | 申請見込額調査書の提出期限(終了済み) |
| 8月下旬〜9月上旬頃 | 選定結果の通知 |
| 9月上旬頃(県ページ記載の予定) | 申請可否の案内 |
見てのとおり、令和8年度分の入口はすでに閉じています。ただ、研修の受講は募集期間と関係なく先に進められます。調査書の締切に間に合わなかった事業所も、次の年度が始まる前に研修受講と業務の棚卸しを終えておけば、募集が開いた時点ですぐに調査書を出せます。兵庫県の制度は、準備を済ませた事業所ほど有利になる構造です。
数字で見る兵庫県|佐用町47.6%と西宮市25.0%、差は22ポイント
兵庫県の高齢者人口は約158万1千人、高齢化率は29.9%です(令和8(2026)年2月1日現在。出典:兵庫県 高齢者保健福祉関係資料(高齢化率年推移・高齢者人口推移・市町別順位)・2026-08-24確認)。高齢化率は平成9年の14.8%から30年で倍増に近づき、令和6年29.5%、令和7年29.7%、令和8年29.9%と、いまも毎年0.2ポイントずつ上がり続けています。県平均よりも目を引くのが、市町別のばらつきです。
| 市町 | 高齢化率 | 地域のメモ |
|---|---|---|
| 佐用町 | 47.6% | 県内1位。西播磨の中山間部、ほぼ2人に1人が65歳以上 |
| 新温泉町 | 46.4% | 但馬の日本海側。豪雪地帯 |
| 香美町 | 46.1% | 同じく但馬。訪問系は移動距離との闘い |
| 養父市 | 42.5% | 但馬内陸。国家戦略特区の経験を持つ市 |
| 淡路市 | 39.6% | 淡路島北部。島内で人材を回す前提の地域 |
| 豊岡市 | 36.8% | 但馬の中心市。圏域の基幹事業所が集まる |
| 神戸市 | 29.4% | 県内唯一の政令指定都市。ほぼ県平均 |
| 姫路市 | 27.9% | 播磨の中核市。事業所数も厚い |
| 尼崎市 | 27.2% | 阪神南。大阪と地続きの都市部 |
| 明石市 | 26.2% | 子育て施策で人口流入が続いた市 |
| 西宮市 | 25.0% | 県内41市町で最も低い |
※令和8(2026)年2月1日現在・兵庫県「市町別高齢化率」より。高齢化率=65歳以上人口÷総人口。
佐用町は47.6%、西宮市は25.0%で、同じ兵庫県の中に22ポイント以上の開きがあります。西宮市・尼崎市・明石市の阪神・東播磨側では利用者増への対応と職員採用が、佐用町・香美町・新温泉町の西播磨・但馬側では働き手がいない中で今のサービスを維持できるかが課題になります。県が研修受講を補助の入口に置いたのも、地域ごとに解くべき業務課題が違いすぎて、機器の一律配布では意味がないからだと読めます。
県平均の29.9%の内側で、佐用町と西宮市は22ポイント以上離れている
五国と8圏域|但馬の雪、淡路の海、阪神の都市部で課題が違う
兵庫県は旧国でいえば摂津・播磨・但馬・丹波・淡路の五国からなり、日本海と瀬戸内海の両方に面する全国でも珍しい県です。県の第9期介護保険事業支援計画も、県内を神戸/阪神南・阪神北/東播磨/北播磨/中播磨・西播磨/但馬/丹波/淡路の8圏域に分けて施策を立てています(出典:兵庫県老人福祉計画(第9期介護保険事業支援計画)・2026-08-24確認)。介護テクノロジーの導入判断も、この圏域の条件から逆算するのが実務的です。
- 神戸・阪神(神戸市・尼崎市・西宮市・宝塚市など):事業所も求職者も多いぶん競合も多い都市部。記録・申し送りの効率化で職員の定着率を上げることが採用力に直結します。
- 播磨(姫路市・明石市・加古川市など):製造業の厚い地域で、他産業との人材の取り合いが起きやすいエリア。夜勤負担を軽くする見守り機器と記録AIの組み合わせが効きます。
- 但馬(豊岡市・養父市・香美町・新温泉町):冬は雪、訪問先は遠い。移動時間に記録を音声で済ませる運用や、遠隔での申し送り共有など、距離を縮めるテクノロジーの価値が県内で最も高い圏域です。
- 丹波・淡路(丹波市・丹波篠山市・洲本市・淡路市・南あわじ市):圏域内で人材を回しきる前提の地域。1人の職員が担う業務の幅が広いため、書類仕事の自動化1つあたりの効果が大きくなります。
大阪や京都に通勤圏が重なる阪神側の事業所は、隣府の制度と比べたうえで動くのも手です。大阪府の介護テクノロジー補助と福祉AI、京都府の介護テクノロジー補助の要点も参考にしてください。
兵庫県老人福祉計画と第7期兵庫県障害福祉実施計画
県の高齢者施策の正本は兵庫県老人福祉計画(第9期介護保険事業支援計画)で、計画期間は2024年度から2026年度です。地域の状況を踏まえた介護サービスの充実強化、自立支援・重度化防止、医療・介護連携の推進を柱に、前述の8圏域ごとに体制を整える構成になっています。介護テクノロジーの導入支援も、この計画期間中の生産性向上施策として走っています。
障害福祉側の正本は第7期兵庫県障害福祉実施計画(令和6年度〜令和8年度)です(出典:兵庫県 第7期兵庫県障害福祉実施計画・2026-08-24確認)。障害者総合支援法と児童福祉法に基づき、県の基本方針「ひょうご障害者福祉計画」を実現するための実施計画と位置づけられています。生活介護や就労支援、障害児通所の事業所は、個別支援計画や記録のAI活用から入るのが現実的です。具体的な手順は個別支援計画をAIで下書きする方法にまとめています。
板橋区の特養での進め方を、兵庫県の研修要件に載せる
私たちは東京都板橋区の特別養護老人ホームでAI申し送りを導入した実績があります。進め方はシンプルで、現場の申し送り様式に合わせてAIの出力を作り込み、職員が自分で回せるようになるまで研修で伴走する、という2段構えです(詳細:特養マイライフ徳丸様の導入事例)。
兵庫県でこの進め方が特に噛み合うのは、県の補助が研修受講を入口にしているからです。県指定研修で学ぶ業務改善の考え方を、自事業所の実際の申し送り・記録・書類にどう当てはめるか。この当てはめの作業が私たちの伴走の中身で、研修を受けたままで終わらせないための仕組みでもあります。まず補助を待たずに始めるなら、記録の下書きをAIに任せる運用が月数千円から試せます。やり方は介護記録をAIで効率化する具体手順をご覧ください。当社の本社は埼玉県所沢市ですが、支援はオンライン伴走が標準です。但馬や淡路の事業所ほど、移動距離ゼロで受けられるオンライン支援の恩恵は大きくなります。
費用の目安(自社の料金も開示します)
| 領域 | 始め方 | 費用の目安 |
|---|---|---|
| 記録AI・音声入力 | 既存ツール/汎用AIから小さく | 月 数千円〜 |
| LINE公式アカウント構築・運用代行 | ライト/スタンダード/運用代行 | 初期 0〜10万円 月 9,800〜39,800円 |
| AI伴走顧問(GUIDE/BUILD/PARTNER) | 月1回から。教える、一部を作る、作り続けるの3段階 | 月 60,500円/110,000円/220,000円(税込) |
| AI活用出前講座(半日) | 御法人の業務を題材に、半日で実演します | 110,000円(税込。顧問の初月に全額充当) |
初回相談は無料です。兵庫県の実施要綱の読み合わせや、研修受講後に何から実装するかの整理からで構いません。正確なお見積りは業務をお聞きしてからお出しします。
よくある質問(兵庫県版)
- 令和8年度分は、いまから申請できますか?
- 申請見込額調査書の提出は令和8年7月6日17時で締め切られており、申請可否の案内は9月上旬頃の予定とされていました(2026-08-24確認)。いまから動くなら、次の募集に向けて県指定研修の受講と業務の棚卸しを先に済ませておくのが実務です。
- 補助率や上限額はいくらですか?
- 県の公表ページ本体には記載がなく、実施要綱で確認する形です(2026-08-24確認)。確認できない金額をこの記事には書いていません。窓口は高齢政策課 介護基盤整備班(078-341-7711 内線73506)です。当社にご相談いただければ最新の要綱を一緒に確認します。
- 研修はどこで受けられますか?
- 県の公表ページに介護テクノロジー導入支援研修等の案内があり、そこから申し込めます。兵庫県は研修受講が申請の前提なので、機器選定より先に研修枠を押さえてください。
- 但馬や淡路の事業所でも対応してもらえますか?
- はい。オンライン伴走が標準なので、豊岡市・香美町・新温泉町など但馬地域や、洲本市・淡路市・南あわじ市の淡路島でも、神戸・阪神の事業所と同じ支援を移動距離ゼロで受けられます。
- 障害福祉サービスの事業所も対象になりますか?
- この記事で扱った県の導入支援事業は、県ページ上は介護サービスを提供する県内事業所が対象です。障害福祉分野の補助枠は年度で扱いが動くため、生活介護・就労支援・障害児通所の方は県の窓口で最新の対象範囲をご確認ください。補助と関係なく始められる個別支援計画のAI下書きは月数千円からの運用で可能です。
研修のあとの「実装」を、兵庫県の御施設と一緒に
県指定研修で学んだ枠組みを、御施設の申し送り・記録・書類に落とすところから伴走します。次の募集までにやることの整理は無料です。
▶ 公式LINEで無料相談・資料を受け取るご質問は メールでのお問い合わせ からどうぞ
毎月ご一緒する形は AI顧問のご案内(月60,500円から・税込)をご覧ください
半日の出前講座
御施設の記録や勤務表をそのまま画面に出して、職員の皆さまと一緒にAIを触ります
半日(3時間ほど)お伺いし、その日のうちに現場の仕事を1つ軽くすることを目標に進めます。1回 110,000円(税込・交通費込み)。伴走顧問に進まれた場合は、初月の顧問料に全額充当します。
出前講座の流れと申し込みを見る