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石川県の介護テクノロジー補助金と福祉AI導入ガイド
令和8年度の募集は9月14日まででした・総合上限400万円

エリア:石川県最終更新:2026-10-09著者:合同会社サン 代表 菅野 竜輔

石川県の令和8年度の介護テクノロジー定着支援事業費補助金は、受付が令和8年8月24日に始まり、締切は9月14日でした。受付期間は実質3週間で、すでに過ぎています。補助率は5分の4、1事業所あたりの総合上限は400万円で、介護ソフト単体でも250万円まで載せられます。一方で県の推計人口(令和6年10月1日現在)では65歳以上が332,990人、高齢化率は30.9%まで上がり、能登半島地震からの復興と人材確保を同時に進めるという、他県にはない条件を石川県の現場は抱えています。この記事は、県の一次情報にリンクを付けながら、次の募集に向けて先に整える準備の順番と、補助金を「機器を買って終わり」にしないための定着の進め方を整理したものです。

石川県の介護テクノロジー補助金と福祉AI導入ガイド の要点をまとめた図(合同会社サン 福祉DX お役立ちブログ)
この記事の全体像

石川県の補助は、機器より先に応募資格を整える制度

石川県介護テクノロジー定着支援事業費補助金 補助率5分の4
受付は3週間8月24日から9月14日
応募資格に研修2本基礎研修と課題の見える化研修
総合上限は400万円1事業所あたり
加賀と能登で違う高齢化率30.9%の中身
地震後の現場移動と手書きを減らす
何を買うかから考え始めると3週間では足りません。要件を満たす体制が既にあるかの点検から入るのが、この県の順番です。出典:石川県 介護現場の生産性向上事業(2026年8月23日に参照)

受付は9月14日まででした 次の募集に向けて先に整えること

いまの受付状況(2026年9月11日に県の公式ページで確認) 募集時期は令和8年8月24日(月)〜9月14日(月)で、すでに過ぎています。提出先は県電子申請システムの申込フォームです。予算の範囲内での補助で、交付決定にあたっては業務負担軽減や職場定着につながると認められる事業者を選定すると県は書いています。パッケージ型の導入支援は伴走支援事業所に選定された事業所だけが対象で、そちらは別途募集です。

まず結論からです。石川県の令和8年度分の受付期間は、県公式ページ(介護現場の生産性向上事業・長寿社会課・参照日2026-08-23)によると令和8年8月24日(月)から9月14日(月)まででした。提出は県の電子申請システム経由でした。3週間で書類を整えるには、応募資格に組み込まれている前提条件を先に片付けておく必要があります。次の募集に向けて整える順番はこうなります。

令和8年度の流れから、次の募集に備える

受付は3週間でした。書類より先に要件を片付けておく

  1. 令和8年8月24日受付が始まる提出先は県の電子申請システム
  2. 先に済ませる研修2本とSECURITY ACTION研修の受講状況を確認し、一つ星以上を宣言する
  3. 9月上旬電子申請で提出駆け込みだと書類不備で戻される余地がなくなる
  4. 9月14日(月)受付の締切
  5. 事業の完了後実績報告完了後1か月以内又は令和9年1月末日のいずれか早い日
研修の受講と委員会の設置は、機器選びより先に着手しないと間に合わない項目です。出典:石川県 介護現場の生産性向上事業(2026年8月23日に参照)
  1. 先に:研修2本の受講状況を確認する(介護生産性向上基礎研修・課題の見える化研修。オンデマンド受講に対応しています)
  2. 先に:SECURITY ACTION を一つ星以上で宣言する(IPAの自己宣言制度。無料で即日できます)
  3. 並行:入所系は生産性向上の委員会設置、訪問・通所系はケアプランデータ連携システムの利用開始を確認する
  4. 並行:導入機器を決める(補助対象は福祉用具情報システム TAIS で選定された介護テクノロジー機器。LIFE への利用協力も要件です)
  5. 受付期間の前半:電子申請で提出(令和8年度は9月上旬が目安でした。締切当日の駆け込みは書類不備で戻される余地がなくなります)
ポイント:要件のうち研修受講と委員会設置は、機器選びより先に着手しないと間に合わない項目です。「何を買うか」から考え始めると3週間では足りません。「要件を満たす体制が既にあるか」の点検から入るのが石川県の令和8年度の正しい順番です。

提出書類チェックリスト(交付申請)

次の募集に向けた確認用に、令和8年度の県公式ページに挙がっている交付申請の提出書類を並べます。様式は県ページからダウンロードできます(2026年9月11日確認)。

このほか知事が必要と認める書類の提出を求められることがあります。補助対象経費の範囲は、県ページに新しく掲載された補助対象経費整理表とQ&Aで確認できます。実績報告の期限は、事業完了後1か月以内又は令和9年1月末日のいずれか早い日です。

石川県介護テクノロジー定着支援事業費補助金の中身

石川県は生産性向上の取り組みを「介護現場の生産性向上事業」として束ねており、その中核がこの補助金です。国の介護テクノロジー導入支援の石川県版で、対象・上限・要件は県が独自に設定しています。以下は県公式ページで確認した令和8年度の内容です(参照日:2026-08-23)。

項目令和8年度の内容
正式名称石川県介護テクノロジー定着支援事業費補助金
補助率5分の4(自己負担は5分の1)
上限額の内訳介護ソフト 250万円/事業所 / 介護ロボット(移乗支援・入浴支援・インカム)100万円/台 / その他機器 30万円/台 / 業務改善支援 48万円/事業所
総合上限400万円/事業所
対象県内の介護保険法に基づく全サービスの事業所、養護老人ホーム・軽費老人ホーム
受付期間令和8年8月24日(月)〜9月14日(月)。県電子申請システムで提出
主な要件介護生産性向上基礎研修・課題の見える化研修の受講/入所系は委員会設置・訪問通所系はケアプランデータ連携システム利用開始/SECURITY ACTION一つ星以上/LIFEへの利用協力
問い合わせ石川県健康福祉部 長寿社会課(TEL 076-225-1416)

目を引くのは介護ソフトの枠が単体で250万円まであることです。記録・請求・シフトを一体で入れ替えるような大きめの構成でも、自己負担は5分の1で済みます。逆に、見守りセンサー1台だけのような小さな入り口で試すことも「その他機器 30万円/台」の枠でできます。業務改善支援に48万円の枠が切ってあるのも石川県の特徴で、外部の伴走支援を補助対象経費に載せる設計が最初から用意されています。

枠の大きさを比べる

介護ソフトの枠は250万円。小さく試す枠も用意されている

総合上限 1事業所400万円
介護ソフト 1事業所250万円
介護ロボット 1台100万円
業務改善支援 1事業所48万円
その他の機器 1台30万円
記録、請求、シフトを一体で入れ替える大きな構成も、見守りセンサー1台からの小さな入り口も、自己負担は5分の1です。出典:石川県 介護現場の生産性向上事業(2026年8月23日に参照)

前提要件になっている2つの研修と、いしかわ介護業務改善相談支援センター

石川県の応募資格には、介護生産性向上基礎研修と課題の見える化研修という2つの研修の受講が組み込まれています。研修や支援の実施主体として県公式ページに載っているのが、いしかわ介護業務改善相談支援センターです。研修はオンデマンド受講に対応していると案内されているため(2026年8月23日に参照した時点)、次の募集に向けて受講状況から確かめておけます。

事業の種類で違う要件

入所系と訪問・通所系で、求められる体制が分かれる

自事業所は、入所系か、訪問・通所系か
入所系委員会を設置する生産性向上の委員会
訪問・通所系ケアプランデータ連携システムの利用を始めるログイン画面の写し等を提出する
どちらの事業所にも、研修2本、SECURITY ACTIONの一つ星以上、LIFEへの利用協力が並びます。出典:石川県 介護現場の生産性向上事業(2026年8月23日に参照)

この要件構成が意味するのは、石川県は「機器を買いたい事業所」ではなく「業務の課題を自分の言葉で説明できる事業所」にお金を出す、ということです。課題の見える化研修という名前のとおり、どの業務に何分かかっていて、どこをテクノロジーに置き換えるのかを言語化することが申請の入り口になっています。この言語化は、当社が伴走で最初にやる業務の棚卸しとまったく同じ作業です。研修で型を学び、自事業所への当てはめを伴走者と詰める、という分担が石川県ではきれいに組めます。

次の募集に向けて、「うちは要件を満たせているか」を無料で一緒に点検します。

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高齢化率30.9%の中身 加賀と能登で違う現場条件

制度の背景にある県の人口構造を、県の統計で押さえます。数値は石川県の年齢別推計人口(いしかわ統計指標ランド・令和6年10月1日現在)から取ったものです(参照日:2026-08-23)。

項目数値(令和6年10月1日現在推計)
総人口1,098,531人
65歳以上人口332,990人(高齢化率30.9%。前年から0.2ポイント上昇・1,134人増)
15〜64歳人口620,695人(57.6%)
0〜14歳人口124,459人(11.5%)
10年間の変化65歳以上の構成比が3.8ポイント上昇(年少 −1.7pt・生産年齢 −2.0pt)

県平均30.9%という数字は全国的に見て突出した値ではありません。石川県の難しさは平均ではなく分布にあります。金沢市・野々市市・白山市など金沢周辺に人口と若年層が集まり、七尾市から輪島市・珠洲市へ北上するほど高齢化と人口減少が深まる。この南北の落差のため、同じ県の制度でも、加賀側の事業所は「採用競争の中での職場環境整備」、能登側の事業所は「そもそも人が採れない中での省力化」と、テクノロジー導入の目的が変わってきます。隣県の制度は富山県の介護テクノロジー定着支援と福祉AI導入と福井県の介護補助金と福祉AI導入にまとめています。

加賀と能登の違い

同じ県の補助でも、加賀と能登では導入の目的が違う

加賀側(金沢周辺)

  • 金沢市、野々市市、白山市に人口と若年層が集まる
  • 採用競争の中での職場環境整備が目的

能登側(七尾市から北)

  • 輪島市、珠洲市へ北上するほど高齢化と人口減少が深まる
  • 人が採れない中での省力化が目的
県平均の30.9%は突出した値ではありません。石川県の難しさは平均でなく、南北の落差にあります。出典:いしかわ統計指標ランド 年齢別推計人口(令和6年10月1日現在)

将来的には金沢市・小松市・白山市・加賀市・七尾市など市単位の現場運用の記事も追加していく予定です。県ページは制度とお金、市の記事は記録・申し送り・家族連絡といった現場の回し方、という役割で分けます。

能登半島地震の後だからこそ、移動と手書きを減らす投資

石川県の福祉現場を語るとき、令和6年能登半島地震(2024年1月1日発生)を避けて通ることはできません。輪島市・珠洲市・穴水町・能登町をはじめ能登の事業所は、建物の復旧、職員の生活再建、利用者の転居や広域避難と向き合いながらサービスを続けてきました。復興は現在も途上で、現場の人員体制が地震前の前提に戻らないまま運営を続けている事業所も少なくありません。

この状況でテクノロジー投資というと後回しに聞こえるかもしれませんが、順序は逆だと考えています。人が減った前提で現場を回すなら、記録・申し送り・家族への連絡といった毎日発生する固定作業こそ先に軽くする必要があります。申し送りをAIで下書き化すれば、勤務交代のたびの転記が減ります。家族連絡をLINE公式アカウントに載せれば、金沢方面や県外へ転居した家族にも様子を届けられます。研修をオンデマンド化すれば、半島の先端から金沢の会場まで片道2時間級の移動をせずに済みます。半島という地理で移動コストが大きい石川県は、移動と手書きを減らす投資の効果がそのまま大きくなる県です。そして令和8年度の補助は、その費用の5分の4を県が持つ設計でした。

石川県長寿社会プラン2024の期間内に動く意味

県の高齢者施策の土台は石川県長寿社会プラン2024(老人福祉計画・介護保険事業支援計画。計画期間2024〜2026年度)です。現行プランの最終年度が2026年度、つまり今年度で、次期プラン改定のタイミングと重なります。生産性向上関連の補助メニューは計画期間の切り替わりで名称・要件・水準が見直されるのが通例なので、補助率5分の4・総合上限400万円という現行条件が来年度も同じ形で続く保証はありません。「いつかやる」を次の募集に向けて前倒しする判断材料として、この計画サイクルは知っておく価値があります。

障害福祉サービスや障害児支援(生活介護・就労支援・放課後等デイサービスなど)の事業所は、補助メニューの所管が介護分野と分かれているため、事業種別ごとの確認が必要です。個別支援計画やモニタリング記録の書類負担にAIを使う方法は個別支援計画をAIで下書きする方法で詳しく解説しています。

板橋区の特養で実証した進め方を、石川県の要件に乗せる

正直にお伝えすると、当社にはまだ石川県内での導入実績はありません。実績があるのは東京都板橋区の特別養護老人ホーム「マイライフ徳丸」様(社会福祉法人北野会)で、現場の申し送り様式に合わせたオーダーメイドのAI申し送りと、職員がそのまま使えるAI研修を導入いただきました(詳細はマイライフ徳丸様の導入事例)。

そこで得た結論は、汎用ツールをそのまま置くのではなく、その施設の様式と運用ルールに合わせて作り込むと定着する、というものです。石川県の補助金が研修受講と課題の見える化を応募の入り口に置いているのは、同じ思想です。当社の伴走は、課題の見える化研修で作った整理を実際の業務改善計画に落とし、導入後に現場で回り続けるところまでを持ち場として、石川県の事業所にはオンライン中心で対応します。金沢でも輪島でも、画面越しの距離は同じです。

AIと個人情報 安全に使う3原則

福祉でAIを使うときの最大の不安は個人情報です。次の3原則を守れば安全に活用できます。私たち自身が現場で守っているルールで、石川県の補助金要件にあるSECURITY ACTION宣言とも地続きの話です。

個人情報の3原則(必ず守る)
  1. 氏名・事業所名などはそのまま入力しない(記号化=A様・B事業所)
  2. AIの文章は支援者が直す前提の「下書き」。本人・家族の意向は本人の言葉のまま残す
  3. 最終判断は必ず人が行う

記録業務への具体的な落とし込みは介護記録をAIで効率化する具体手順を、家族連絡・予約の仕組み化は福祉施設のLINE公式アカウント活用をご覧ください。

費用と当社の関わり方

「いくらかかるか分からない」が最初の壁だと思うので、当社の実際の料金を開示します。機器・ソフト本体は補助金側(5分の4補助)に載せ、当社の伴走は業務改善支援(1事業所48万円枠)と定着の部分を担う形が石川県では基本になります。

領域始め方費用の目安
記録AI・音声入力既存ツール/汎用AIから月 数千円〜
LINE公式アカウント
構築・運用代行
ライト/スタンダード/運用代行初期 0〜10万円
月 9,800〜39,800円
AI伴走顧問(GUIDE/BUILD/PARTNER)月1回から。教える、一部を作る、作り続けるの3段階月 60,500円/110,000円/220,000円(税込)
AI活用出前講座(半日)御法人の業務を題材に、半日で実演します110,000円(税込。顧問の初月に全額充当)

初回相談は無料です。石川県の御施設の場合、令和8年度の受付は9月14日まででしたので、次の募集に向けた要件点検と逆算プランの整理からお手伝いします。

よくある質問

申請には何を出せばいいですか?
交付申請書、申請事業所一覧表、業務改善計画書、介護テクノロジー事業計画書、補助金所要額調書、収支予算(見込)書、誓約書、見積書の写しとカタログ、口座情報登録書に加え、ケアプランデータ連携システムの利用が分かる書類、SECURITY ACTIONの自己宣言が分かる書類、LIFEの利用申請の記録です。上の提出書類チェックリストにまとめています(2026年9月11日確認)。
パッケージ型の導入支援は申請できますか?
パッケージ型の補助対象資格事業所は、伴走支援事業所に選定された事業所です。伴走支援事業所に選定された事業所については、県が別途募集すると書かれています。
令和8年度の受付は9月14日まででした。次の募集に向けて何から整えればよいですか?
前提要件の状況の点検からです。研修2本はオンデマンド受講に対応し、SECURITY ACTIONは即日宣言できるため、この2つは先に済ませておけます。委員会設置やケアプランデータ連携システムの利用開始がまだの場合は時間がかかるので、まず現状を点検し、次年度に向けて要件だけ先に整えるのが得策です。
輪島市・珠洲市など能登の事業所でも対応してもらえますか?
はい。伴走はオンライン中心なので、七尾市・輪島市・珠洲市・穴水町・能登町を含め県内どこでも同じ形で進められます。復旧関連で現場が落ち着かない時期でも、移動を伴わずに短時間ずつ進められるのがオンラインの利点です。
いしかわ介護業務改善相談支援センターと民間の伴走支援は、どう使い分けますか?
センターは県の研修・支援の実施主体で、応募資格に関わる研修の入り口です。当社は研修で整理した課題を自事業所の業務改善計画に落とし、導入後に定着するまで回す部分が持ち場です。競合ではなく順番に使う関係です。
補助対象の機器はどこで確認できますか?
県公式ページに、福祉用具情報システム(TAIS)で選定された介護テクノロジー機器が対象と明記されています。移乗支援機器・入浴支援機器・インカム・介護ソフトが代表例です。候補選びの段階からご相談いただけます。
AIに利用者の個人情報を入力しても大丈夫ですか?
氏名・事業所名は記号化し、AIの出力は下書き、最終判断は人、の3原則を守れば安全に活用できます。詳しくはこの章へ。

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菅
菅野 竜輔(かんの りゅうすけ)/ 合同会社サン 代表社員
介護職、施設長、ケアマネジャー、地域包括支援センター、生活困窮者支援を経験。現在は社会福祉法人と福祉事業者向けに、生成AIの導入と定着の伴走をしています。
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